遺伝による影響

父親の精子と母親の卵子が出会い、受精卵が細胞分裂を繰り返しながらだんだんと人の体に形を変えていき、胎児の状態になります。1度に放出される精子の数は何億という数ですがその中でたった1つの精子だけが卵子にたどりつき受精ができるのです。確率的にはとても小さく、受精はまさに小さな奇跡といっても過言ではないように思います。

そんな奇跡によって生まれた新たな命は胎児という名で、母親のおなかの中で羊水につつまれながら母親とつながっている胎盤を通して栄養をもらい、この世に生れ落ちるまで、母親と色々なものを共有しながらその時を待っているのです。

さて、そんな奇跡の結晶ともいえる胎児ですが、胎児は精子と卵子の持つ遺伝子を合わせたもの、つまり父親の遺伝子と母親の遺伝子の両方を持っています。正確にいうと、精子が持っているのは父親の持つ染色体の半分であり、卵子が持っているのは母親のもつ染色体の半分なので父親と母親からそれぞれ半分ずつ遺伝子を受け継いでいるのです。

この遺伝子は、近年少し増加傾向がみられているダウン症などを含めた胎児の先天性異常を引き起こす原因の1つでもあります。もちろん胎児の先天性異常が全て遺伝子や染色体などが原因で起こっているわけではありません。

染色体や遺伝子が正常であっても、母親が妊娠中に服用した薬剤によるものや、ウイルスなどに感染したことが胎児の先天性異常に影響することもあります。明確な原因が不明であることもよくあることなのです。

ですが、やはり胎児と密接に関わっている母親は十分に気を付けるに越したことはないと思います。母親が出産する際に高齢であれば高齢であるほど先天性異常児を出産する確率も上がってきます。

また、先に述べたように母親の薬剤の服用も胎児に影響を与えかねないので、妊娠中は薬剤の服用にも十分気を配らなければなりません。そして、できるだけウイルスに感染することも避けなければなりません。こうしてみると母親はとても重大な役割を担うことになります。