葉酸で神経管閉鎖障害の発症リスクを低くする

胎児の脳や脊髄の元である神経管が出来上がるのは妊娠4週から5週頃です。神経管閉鎖障害はこのころに起こる胎児の先天異常です。その発症の原因は遺伝など様々な要因が複合的に関係していて、葉酸を一定量摂取することによって発症のリスクを抑えることができると言われています。

欧米の国々では神経管閉鎖障害などの先天異常を予防するために葉酸を摂取することを進めてきました。毎日食べるパンやシリアルなどに葉酸を添加することを義務付けたほど重要視されてきました。

欧米ではこのような対策によって発症率は少なくなりましたが、日本では依然増加傾向にあります。神経管の下部に閉鎖障害が起きた状態が二分脊椎と呼ばれ、この症状の起きた部位では脊椎の骨が脊椎の神経組織を覆っていないので、神経組織が障害されてしまい、その結果運動障害や、暴行や直腸の機能に障害が起こることがあります。

神経管の上部で閉鎖障害が起きると脳が形成不全になり、無脳症を起こします。この病気を発症した赤ちゃんは体は成長しても頭部がほとんど形成されず、額から上の頭蓋骨が作られず、そのほかにも眼球が飛び出したり欠落していたり、公害列が見られたりするケースが多いのが特徴です。

無脳症は現在治療法が確立されていないので、致死的な病気です。せっかくこの世に生を受けても、通常は生後短時間で死亡することが多い病気です。現在は出生前診断によって診断することができるようになって、胎児の人工中絶手術の可能な期間に診断されることで中絶手術が行われることが多いようです。

現在は神経管閉鎖障害を発症するリスクを抑えるために、葉酸の摂取が重要なことがわかっており、妊娠の可能な年齢の女性などに対して、葉酸の摂取に関する情報を積極的に提供することを推進しています。

摂取する時期としては少なくとも妊娠の1か月以上前から妊娠3ヶ月くらいの間が理想とされています。妊娠が判明してから葉酸を摂取しても効果があるという報告もあります。